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コンセントは増やした。スマホは床で充電している。

コンセントは増やした。なのに、充電は床の上。

コンセントは余っているのに、充電中のスマホは床に置いている。ソファから手を伸ばすとケーブルが届かず、結局、長いコードを買い足す。家づくりで見落としやすいのは、差し込み口の数だけでなく、その先にある「充電している間の置き場所」です。

すっきりしたホテルライクなリビングにしたい。でも、毎晩スマホを片づけるために立ち上がるのは面倒。その迷いは、収納を増やす前に整理できます。座って使うのか、使わずに置いておくのか。まず、その違いから考えてみましょう。

差し込み口があっても、スマホの居場所は増えない

例えば、ソファの後ろの壁にコンセントがあっても、横にテーブルがなければ、スマホを置けるのは座面か床になりがちです。逆に、テーブルがあっても電源が遠ければ、そこまでコードを延ばす必要があります。電源と家具を別々に決めると、最後のつながりが抜けてしまいます。

図面のコンセントの印だけを見て「この辺に一つ」と決めず、スマホを置く小さな四角も描いてみます。その二つを線で結ぶと、コードがソファの下を通るのか、歩く場所を横切るのかが見えてきます。

パナソニックも、配線計画では家族の日々の生活を振り返り、どこで機器を使い、どこで充電するかから数と位置を決める考え方を紹介しています。部屋ごとの個数を先に埋めるより、「夜、どの席で何をしているか」を伝えるほうが、必要な位置を具体化できます。

今の家で床に置いているなら、その場面を一枚撮っておくのも方法です。「コンセントが足りない」と伝えるだけでは見えなかった、置く面の不足や家具との距離まで共有できます。

座って使うなら、先にサイドテーブルを置く

ソファで動画を見たり、家族と翌日の予定を確認したりする間も充電したい。そんな使い方なら、離れた収納へ戻す場所だけを用意しても、普段は使わなくなるかもしれません。まず、いつも座る席の横に、手を伸ばして置ける面があるかを考えます。

サイドテーブルは、天板の大きさだけでなく、ソファの肘の高さや奥行きとの関係が大切です。奥へ押し込まないと置けない家具では、電話が鳴るたびに体をひねることになります。実物のソファに座り、スマホを置く・取る動きを試すと、寸法表では分からない違いが出ます。

電源の位置は、その家具配置に合わせて決めます。アダプターが家具の背面にぶつからないか、差し替える手が入るか。スマホを持ち上げたときにケーブルが張らないかも見ます。パナソニックの在宅勤務向け解説でも、机から離れたコンセントは抜き差しやコードの扱いを不便にすると説明されています。

ソファを部屋の中央に置きたい場合は、壁際と同じ考えでは収まりません。電源をどこから取れるかと、模様替えをしたい範囲を、家具と一緒に設計者へ相談します。床を横切る長いコードが必要になる配置なら、位置から比べ直します。

帰宅後に置くなら、家族の通り道へ

一方、家ではスマホを手放して過ごしたい人なら、帰宅後に置く定位置をつくる案が合います。リビングへ入る途中のカウンターなど、いつも立ち寄る場所に電源と置く面をまとめる考え方です。家族の全員が同じ習慣とは限らないので、座席の横で充電する人と分けてもかまいません。

下の設計イメージは、リビング脇の開いたカウンターを使う例です。スマホの周囲に空きを取り、コードは天板の上で収めています。鍵は別の受け皿へ。スマホを取りに行くたびに、紙や小物をどかす場所にしないことが、使い続けやすさにつながります。

家族で共有するなら、人数より「同じ時間に充電する物」を並べてみてください。スマホ、タブレット、イヤホンでは必要な面積も充電器も違います。台数に合わせて置けるかに加え、一人が取ると隣のコードまで引っ張られないかを確かめます。

ただし、帰宅時に便利な場所が、朝も便利とは限りません。朝は寝室からスマホを探しに戻るのか、鞄を持つ流れで取れるのか。帰宅から翌朝までを一度つなげて考えると、「きれいだけれど誰も使わない棚」を避けやすくなります。

ホテルライクに隠すなら、手が届くことも残す

生活感を消したくて、コンセントを家具の真後ろへ隠す。見た目は整っても、充電器を交換するたびに重い家具を動かすなら、日々の負担が残ります。入口から目立つかどうかと、自分の手が届くかどうかは、別の角度から見たいところです。

例えば、正面からは見えにくい棚の側面に電源を設ける案と、見える壁面に周囲と色を合わせて設ける案を比べます。前者は抜き差しする手の動きまで、後者は家具との位置関係まで確認します。完全に見えなくすることだけを、仕上がりの良さにしないことが大切です。

また、充電中の機器を扉や引き出しの中へしまえば解決、とは限りません。熱の逃げ方やケーブルの挟み込みを考える必要があります。収納内での充電を望む場合は、使う機器・充電器の説明書と、収納側の仕様を確認して計画します。普通の引き出しへ穴を開けるだけの提案にはしません。

石の天板や、壁を照らす間接照明で空間を整えながら、機器の周りには空きを残す。ホテルライクな雰囲気と実用性は、そのような小さな納まりでも両立を考えられます。

寝室は、布団の上を充電場所にしない

寝る前に使うなら、ベッドの横にも置く面が必要です。枕元にコンセントがあるだけでは、スマホを枕や掛け布団の上へ置きたくなります。ベッドを置いた状態で、手の届く棚やナイトテーブルを一緒に考えます。

AppleはiPhoneや電源アダプターなどについて、使用中・充電中は通気のよい場所に置き、電源につながった状態で毛布や枕、体の下へ置かないよう案内しています。他の機器も、それぞれのメーカーの使用条件を確認してください。見えないことより、安全に使える置き方を優先します。

下の例では、スマホを寝具から離した硬い天板に置き、コードを天板上で受けています。これは配置の考え方を示すもので、画像から必要な離隔寸法や安全性を保証するものではありません。実際の機器と寝具の動きに合わせて位置を決めます。

ベッドの左右で、充電しながら使う人と、寝室へ持ち込まない人に分かれることもあります。左右を同じ仕様にする前に、それぞれの習慣を聞くと、必要な棚や電源の位置が変わります。

USBやワイヤレスでも、置く面は必要

USBコンセントは、対応する機器なら電源アダプターを別に差す手間を減らせる選択肢です。ただし、端子の種類や必要な出力など、機器とコンセント双方の仕様確認が必要です。「USBが付いているから何でも同じように充電できる」とは考えず、使う機器を具体的に伝えます。

ワイヤレス充電も、スマホ側のケーブルを抜き差しする動作は減らせますが、充電器へ電気を届ける配線と、充電器を置く面は必要です。置いた状態から手に持って使いたいのか、置いたままでよいのかで、有線と比べるポイントも変わります。

新しい方式を先に決めるより、使い方を決めてから選ぶ。その順番なら、機器を買い替えたときも、天板や電源をどう使えるかまで相談できます。造作へ組み込む場合は、交換や点検ができる納まりも確認しておきます。

図面には、コンセントの印とスマホの四角を

打ち合わせに持っていきたいのは、今使っているスマホと充電器、残したい家具の寸法、そして充電している場所の写真です。「何口増やすか」の前に、どこで使うか、どこへ戻すか、何を同時に充電するかを伝えます。

図面にはソファやベッドだけでなく、小さなテーブルも入れます。その上にスマホを描き、電源までの線を引く。コンセントの高さや位置は、家具の実寸とアダプターの出っ張り、抜き差しする手の余地まで合わせて検討してもらいます。一律の高さだけでは判断できません。

京都でホテルライクな注文住宅を考えるなら、充電中の姿も、暮らしの一部として設計しておきたいところです。入居後に床へ置くしかなくなる前に、いつも座る席の横から、一緒に具体化していきましょう。

使う場所・充電する場所から考える配線計画。掲載日2017年1月26日。

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