↑

ブログBlog

京都の狭小地でも“広く感じる”家。ホテルライクに仕上げる設計の工夫

狭さは、設計で「広がり」に変えられる

「土地が狭いので、広い家は諦めています」
京都の市街地で土地をお探しの方から、よくいただく言葉です。
たしかに、京都の中心部でゆとりある敷地を見つけるのは簡単ではありません。けれども、私たちが大切にしているのは「実際の広さ」よりも「広く感じられるかどうか」です。
面積の数字は同じでも、設計次第で体感は驚くほど変わります。ホテルの一室が、決して広くないのに心地よく感じられるのと同じ理屈です。今回は、狭小地を上質な住まいに変えるための設計の工夫を、順にお話しします。

そもそも「狭小地」とは

狭小地・狭小住宅に法律上の明確な定義はありませんが、一般的には敷地面積が15坪(約50平方メートル)以下の土地を指すことが多いとされています。
さらに都市部では10坪程度、地方では20坪程度までを狭小地と呼ぶこともあり、地域によって感覚は異なります。京都の旧市街のように、間口が狭く奥に長い「うなぎの寝床」と呼ばれる敷地も、この狭小地に含まれます。
共通するのは、限られた面積の中で、いかに快適さとデザイン性を両立させるかという問いです。ここからが、設計者の腕の見せどころになります。

数字の広さより、「感じる広さ」

人が空間の広さを感じ取るとき、実は床面積の数字だけを見ているわけではありません。
視線がどこまで抜けるか、光がどう回るか、天井までの高さ、家具の低さ、色の明るさ。こうした要素が重なって「広い」「ゆったりしている」という感覚が生まれます。
逆に言えば、床面積が大きくても、壁で細かく仕切られ、光が届かず、天井が低ければ、窮屈に感じてしまいます。狭小地の設計とは、限られた面積の中でこの“体感の広さ”を最大化する作業だと私たちは考えています。

視線の“抜け”をつくる

広く感じる家に共通しているのは、視線が遠くまで抜けることです。
玄関を入った瞬間に部屋の奥や窓の外まで見通せる、階段の先に光が見える、リビングから小さな庭やバルコニーの緑が見える。視線が止まらずに先へ抜けていくと、人は実際の距離以上の広がりを感じます。
狭小地では、隣家との距離が近く、外に大きな窓を開けにくいこともあります。そんなときは、天窓や高い位置の窓、建物の内側に設ける小さな中庭やライトコートで“抜け”をつくります。視線の行き先を設計することが、狭さを忘れさせる第一歩です。

光を、上から落とす

狭小地、とくに三階建てでは、一階まで自然光を届けることが快適さを大きく左右します。
隣家が迫っていて横から光が入りにくい場合でも、上からの光は遮られにくいものです。屋根に天窓を設け、階段や吹き抜けを“光の通り道”にすると、最上階で受けた光が下の階までやわらかく落ちていきます。
上から降りてくる光は、時間とともに表情を変え、白い壁や淡い木の床に穏やかな陰影を映します。照明をたくさん点けなくても、昼間は自然光だけで心地よく過ごせる。これは狭小住宅であっても、いえ、狭小住宅だからこそ丁寧に設計したいポイントです。

天井の高さと段差で、変化をつける

同じ高さの空間が続くより、天井の高い場所と低い場所が織り交ぜられているほうが、空間は豊かに感じられます。
リビングだけ天井を高く吹き抜けにする、床の高さを半階ずらして視線の変化をつける「スキップフロア」を取り入れる。こうした立体的な設計は、平面では確保しきれない広がりを、上下方向の余白として生み出します。
段差はゆるやかにベンチや収納を兼ねさせることもでき、限られた面積を無駄なく使えます。平面図だけでなく、断面で家を考えること。これが狭小地設計の核心のひとつです。

色と素材で、軽やかに見せる

空間を広く見せるうえで、色と素材の選び方は大きな力を持ちます。
白い塗り壁や明るい木は光をよく反射し、空間全体を軽やかに、明るく見せてくれます。床・壁・天井の色のトーンを揃えると、面の境目がやわらかくなり、視線がすっと流れて広がりが生まれます。
もちろん、落ち着いた濃い色や石の質感が似合う住まいもあります。大切なのは、その家がまとうべき空気に合わせて素材を選ぶこと。狭小地で開放感を優先したいなら、明るく反射する素材を基調にするのは有効な選択です。ホテルのように統一感のある上質さは、この素材の絞り込みから生まれます。

生活感を、収納で消す

どれだけ美しく設計しても、ものが出しっぱなしでは狭く見えてしまいます。
狭小住宅こそ、収納を“見せない”設計が効きます。壁と一体化した扉のない収納、階段下やスキップフロアの段差を使った隠す収納、家事動線に沿って必要な場所に必要なだけ設ける収納。
玄関からキッチン、洗面へと最短で回れる家事動線を整えておくと、片付けの手間そのものが減り、散らかりにくくなります。近年は共働き世帯を中心に、こうした“時間を生む間取り”への関心も高まっています。生活感を上手に隠すことは、体感の広さとホテルライクな静けさの両方につながります。

狭小地こそ、設計力が差になる

広い土地なら、多少おおらかに設計してもゆとりでカバーできます。けれど狭小地では、一つひとつの判断が住み心地に直結します。だからこそ、設計の力がそのまま暮らしの質の差になって表れます。
私たちLIQは、SE構法による強い構造を土台に、大きな吹き抜けやスキップフロア、大開口といった、通常の木造では難しい設計を可能にしています。限られた敷地でも、光と抜けのある、ホテルのように静かで上質な住まいを。
狭さは、諦める理由にはなりません。むしろ、設計の工夫がいちばん活きる舞台だと私たちは考えています。

土地が狭くて迷っている、という段階からのご相談も歓迎しています。敷地を見ながら、その土地ならではの“広く感じる住まい”を一緒に考えます。

住まいの無料相談会のご案内はこちら

Back to listリストに戻る

LINE デジタルカタログ 住まいの無料相談会